四柱推命において、その人の本質を示すと言われる通変星。 「比肩」「劫財」「食神」「傷官」「偏財」「正財」「偏官」「正官」「偏印」「印綬」の10種類がある通変星のうち、今回は『正官(せいかん)』を紐解いていきましょう。「正官」の意味、この星に持つ人の生まれ持った性格、運気、適職、恋愛傾向、結婚運、金運などについて、詳しく解説していきます。
目次
四柱推命における「正官(せいかん)」の意味とは?
「正官」という星は四柱推命において、生まれ持った才能や強みを表す星の通変星の1つとされています。「実行力の星」「正統派の星」と言われていますから、この星では完璧主義者で目標に対しての理想がとても高い人が多いでしょう。責任感があり、粘り強く物ごとに取り組む正官は、社会での信用も得やすいです。
「正官」の「官=官吏(社会的地位のある人)」は「気品」、「高いプライド」を意味し、正官の誠実さとまじめさは周りから高く評価され、プライベートでもビジネスでも人から大きな信頼を寄せられるでしょう。いつも礼儀正しく、模範的な行動を取る正官の星を持つ人は、どんな場所においても品があり、一目置かれる存在です。
正官の人の性格や特徴とは?
「正官」の人はまじめで几帳面です。折り目正しい態度で、細かいところにまで気配りが行き届いています。人が見ていようと、いなかろうと、ルールはきちんと守り、人間関係の衝突や混乱を避けようとするでしょう。
そして、責任感が強いのも正官の人の特徴です。決して妥協せず、自分の役割や任務をきちんと最後まで全うしようとします。自分の信念を曲げない正官ですが、人に対して強く出ることはありません。
冷静に、穏やかに優しくどんな人にも接しますから、周りの人も正官には安心感を覚えますし、リーダー的存在であれば「信頼してついていこう」と、思うのです。こだわりが強くなり過ぎれば頑固になることもあるので、その部分だけ気をつけるとよいでしょう。
正官の人の仕事運、適職とは?
秩序や規律を重んじる「正官」の人は、大きな組織の中でシッカリと自分の役割を全うすることができます。チームプレーが得意な正官は、周りの人と協力し合いながら目標を達成することができるでしょう。逆に、自分の裁量で自由に働けるようなところでは、正官の人は戸惑ってしまうこともあります。目標がハッキリしていて、組織の役割や規律が定まっている環境なら正官の人は落ち着いて働くことができるんですね。
コツコツとまじめに仕事をすることができる正官は「秘書」「公務員」といった仕事が向いています。また、几帳面な性格なので「銀行員」なども適職です。正義感が強い正官は「警察官」「検察官」「裁判官」といった職業にも適性があるでしょう。
正官の人の恋愛傾向とは?
まじめで誠実な「正官」の人は、恋愛においても相手に一途に尽くすタイプです。社会的常識から外れることを嫌う正官ですから、浮気や不倫などをすることもありませんし、「一夜限りの関係」などもってのほかでしょう。堅物すぎて色気がないようにも見える正官ですが、よこしまな気持ちがなく、爽やかに1人だけを愛する気持ちがありますから相手からも好意を持たれるのです。
もともと、生まれ持った「気品」が漂っている正官は、密かに異性から憧れの的になっていることもあるでしょう。ただ、正官は恋愛に対して不器用ですから、積極的に自分から好きな相手にアプローチすることは苦手です。正官の気持ちを汲み取ってくれる優しい人ならうまくいくでしょう。
正官の人の結婚運とは?
「正官」の人は外面よりも内面を重視し、心から信頼できるパートナーを選びます。そのため、お付き合いする期間も自然と長くなるでしょう。お付き合いする中で、正官は相手の性格や価値観などをじっくりと見ていき、自分の結婚相手として合うかどうか、シッカリと見定めていきます。
一目ぼれであまりよく知らない相手と結婚してしまったり、授かり婚になることは正官にはまずありません。結婚後は周りの人からうらやましがられるような、素敵な家庭を正官は築いていくでしょう。家庭の中での自分の役割をきちんとこなし、相手からも大いに感謝されます。ただし、ルールや規律を重視しすぎるとパートナーも息がつまってしまうでしょう。
正官の人の運勢とは?
きちんとキャリアを重ねていく「正官」の人は、社会的地位も年を重ねるごとに高くなっていくでしょう。仕事ができますし、物腰が柔らかい正官は晩年になるほど、手を貸してくれる人も増えていきます。ですから、自分のやりたいことが実現できるようにもなっていくでしょう。
人生を通して、正官の人は人間関係においてギクシャクすることも少なく、穏やかにすごしていくことができます。味方が多くなっても、高ぶったり傲慢にならなければ、平和な毎日を歩んでいくことができるのです。まじめな正官は考えすぎて、好機を逃してしまうこともあるので、新しい仕事に就いたり、趣味をスタートさせるならば、できるだけ若い時にしたほうがよいでしょう。
正官の人の金運とは?
堅実な「正官」の金運は、生涯を通して安定しているでしょう。正官の人はあまりお金への執着心はありません。コツコツ貯金をし、競馬やパチンコのようなギャンブルにはまることもありませんから、自然とお金は貯まっていきます。
ただ、根を詰めて仕事をしたり、無理なスケジュールで仕事を詰め込んだりすると、ある時急にやる気を失ってしまうこともあります。よく考えず、退職してしまって困った状況に追い込まれることもあるでしょう。体に気を付け、プライベートと仕事のバランスを考えながら働いていくことを意識してください。
正官の人と相性の良い通変星とは?
正官と相性の良い通変星は、「食神」と「正財」、そして「印綬」です。
◆食神
「正官」と「食神」は互いを尊重し合い、良い関係を築いていくことができます。正義感が強く、自分の意思を曲げない正官を大らかな食神は褒めてあげることができるので、ぶつかり合うこともありません。ただ、性格や価値観は基本的に異なっているので、相手の前で正官は我が強くなりすぎないようにしましょう。「正官」と「食神」は自分の思っていること、言いたいことをハッキリと言葉にして相手に理解してもらうことが大切です。
◆正財
「正官」と「正財」はピッタリと価値観が合う組み合わせです。共通点が多く、一緒にいれば驚くことがたくさんあるでしょう。「正官」と「正財」はともに道徳的で、常識からはみ出すことを嫌いますから、居心地の良い、穏やかな時間をすごすことができるのです。
◆印綬
社会常識や名誉を重んじる性格の「正官」と「印綬」は互いに誠実に接していくことができます。印綬が持っている気持ちの細やかさ、デリケートさを正官がよく理解し、精神的にも支えてあげるようにすれば、良好な関係が長続きするでしょう。ただ、同じく正義感の強い星ですから、「自分が正しい」と筋を通そうとすると、言い合いになってしまいますので注意してください。
正官の人と相性の悪い通変星とは?
正官と相性の悪い通変星は、「劫財」と「傷官」、そして「偏官」です。
>◆劫財
正反対の性質を持っている「正官」と「劫財」は、互いの接しかたによって良くも悪くもなる関係性があります。いつも常識的な「正官」、そして固定観念に縛られず、自由な行動を取ることができる「劫財」は、理解し合うことができれば、互いに刺激を受けますし、良い部分を吸収し合うこともできるでしょう。ですが、相手の考えかたを受けつけないと互いに感じた時には、最後まで噛み合うことがありません。
◆傷官
「正官」と「傷官」は、相手に自分の意見を伝えようとするほど、ケンカになってしまうところがあるでしょう。「正官」が主張していることを聞いていると、「傷官」はそのほころびや欠点によく気がつくのです。また精神的にデリケートなところを持つ傷官を正官が正論でやりこめると、傷つけ合う結果となってしまいます。
◆偏官
同じ「官」を持つ「正官」と「偏官」ですが、すれ違いが多くなってしまう関係性です。規則や約束ごとを大切にし、つねに常識を守って行動する正官、リスクや失敗を恐れずに前向きにさまざまなことに挑戦していく偏官は、合わない部分が大きいでしょう。偏官は枠から飛び出すことのない正官をつまらなく感じますし、正官は計画の甘い偏官にイライラしてしまいます。
「正官」が命式にある人への接し方
「正官」を星に持つ人は几帳面でだらしがないことが嫌いです。そんな正官と接する時には身だしなみを整え、バッグの中身なども整理整頓して、きちんとした清潔な自分をアピールしましょう。もちろん、時間にルーズな人も正官には耐えられないですから、約束した時間にきちんと到着できるよう気を付けてください。
正義感の強い正官は、時に1人ぼっちのような気持になってしまうこともあります。いつでもそんな正官の味方になってあげることができれば、大きな信頼を寄せられるでしょう。恋愛では急激に迫ることは禁物です。正官とは心の距離を少しづつ縮めていくことを意識してください。
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