四柱推命において、その人の本質を示すと言われる通変星。 「比肩」「劫財」「食神」「傷官」「偏財」「正財」「偏官」「正官」「偏印」「印綬」の10種類がある通変星のうち、今回は『偏官(へんかん)』を紐解いていきましょう。「偏官」の意味、この星に持つ人の生まれ持った性格、運気、適職、恋愛傾向、結婚運、金運などについて、詳しく解説していきます。
目次
四柱推命における「偏官(へんかん)」の意味とは?
「実行力の星」「型破りの星」と言われている「偏官」の人は、とても責任感が強いことが特徴です。どんなことがあっても最後まで意志貫徹しやり遂げようとする偏官ですが、風変わりなやりかたで物ごとや仕事を進めていくこともあります。
目標達成のために、偏官の人は周囲を巻き込んでいくことも厭いません。さまざまな人を巻き込んで、大きな革命を起こしていこうとします。「偏官」の文字には「官=地位のある人」に対して「偏=極端な行動」を取るという意味も含まれています。ですから、激しい変化がなく、物ごとが落ち着いた状態にある時よりも、事態が大きく変化することに対してつい偏官の人は気持ちが躍ってしまうところがあります。
偏官の人の性格や特徴とは?
「偏官」の人は興味関心があるものにはすぐに飛びつき、じっとしていることなどできないでしょう。戦って手に入れようとする気持ちが強いですから、度胸があり、大胆な行動で思い切りよくやってのけていきます。行動的で、計画を練ってから動くタイプではないので、帳尻が合わなくなることも出てくるでしょう。
しかし、責任感があり、当初の志や思いを最後まで貫き通すことができるエネルギーを持っており、偏官の人は最終的には目標を達成することができます。リーダーシップを取ることができる偏官は、周りの人の気持ちをうまく奮い立たせたり、励ますことも可能でしょう。周りを巻き込みながら、目標に向かって一緒に歩みを進めていきます。
偏官の人の仕事運、適職とは?
「偏官」の人はあまり人の下で働くことは向いていません。自分の裁量で動くことができる仕事、自分の判断で決定を行うことができる場所であれば能力を発揮することができます。地位や名誉を求めているタイプでもないので、自分が好きなように仕事ができるかどうか、ということだけが偏官にとっては大切なことなのです。
もともとリーダー気質の偏官は、プロジェクトのリーダーとなったり、仕事の上でみんなをまとめるような場所に配置されると実力を大いにふるうことができます。細かい作業は苦手なので、事務作業などには向いていません。仕事の成果がハッキリと見える仕事だと偏官はやる気が出るので、営業や政治家などに進むのもよいでしょう。
偏官の人の恋愛傾向とは?
「偏官」の人の性格は行動的で大胆なものの、恋愛になると控えめになってしまいます。自分の気持ちを相手に伝えることがなかなかできません。恥ずかしさから、自分の想いを相手に悟られるのも嫌で、想いを秘めたまま終わってしまうことも多いでしょう。
しかし、好きな異性に対して持ち前の「面倒見の良さ」が発揮されれば、自然と相手から好意を持たれることもあります。一度お付き合いがスタートしたならば、誠心誠意で相手と向き合い、偏官はその関係を大事に育てていくでしょう。献身的な偏官ですから、相手にわが身を犠牲にして尽くすこともあります。しかし、そのような行動が相手の恋する気持ちをだんだんとなえさせてしまうこともあるでしょう。
偏官の人の結婚運とは?
恋愛に不器用で控えめな「偏官」ですが、恋人ができればまっすぐに相手を愛し、結婚までその関係を進めてていこうとします。ですから、相手も本気ならば結婚まで一直線に進んでいくでしょう。大切な人を何よりも大切にしたいと思う偏官の結婚生活は、愛情に満ちたものになるでしょう。家族思いの偏官ですから、相手も大切にしてくれるのです。
また、偏官の心の中には「甘えたい」という気持ちも潜んでいます。結婚すれば、それがストレートな表現となって出てくることもあるでしょう。自分にとって、大切にしたい習慣や価値観、ルールがある偏官は、それを受け止め、通してくれるようなおおらかな気持ちを持った相手だとうまくいきます。
偏官の人の運勢とは?
「偏官」の人の運勢は、「変わっていくこと」を前向きに捉えることでどんどん良くなっていくでしょう。偏官には人生の中で、状況が二転三転する時がいくつも訪れます。その時に執着心をなくし、うまく立ち回ることができれば、最初よりもっと良い結果が生まれるでしょう。
仕事においては他社から知識やスキル、経験を評価され、偏官はスカウトされることもあります。そんな時にはチャレンジすることを恐れず「自分がどうしたいか」をシッカリと決めてください。特に人間関係に対しては、早合点をして失敗することもある偏官は、慎重に動くことを忘れないことが大切です。言葉を選んで話しましょう。また、八方美人にならないように気をつけてください。
偏官の人の金運とは?
「偏官」の人の金運は安定していると言えるでしょう。偏官はお金に関してリスクのあるものには近づきません。そのため、株や投資に興味を持つ人は少なく、確実に資産を築くことができるものを見極め、お金を堅実に貯めていくでしょう。
しかし、偏官は希少価値や美術的価値のあるものへ投資することもあります。価値のあるものにこだわりたい気持ちを持っているからでしょう。仕事することをあまり苦とは思わないタイプの偏官は、体力さえあればさまざまな仕事を掛け持ちして働くこともあります。ですから、着実に偏官のもとにお金は貯まっていくのです。
偏官の人と相性の良い通変星とは?
偏官と相性の良い通変星は、「偏財」と「正財」、そして「印綬」です。
◆偏財
「偏官」と「偏財」は互いに相手の言っていることがよく理解できる関係ですから、すぐに仲良くなれるでしょう。この星の組み合わせは、考えかたや価値観に多くの共通点もあり、一緒にいて居心地が良いのです。先を急ぎたがる偏官を大らかな偏財がなだめる、良いコンビになります。ともに、充実した時間をすごすことで、どんどんその関係は深いものになっていくでしょう。
◆正財
責任感が強い「偏官」と「正財」は、とても相性が良く、同じ方向を見て進むことができます。負けず嫌いで、勝つためには相手を攻めることもある偏官と、まじめで誠実な正財は合っていないように思われるものの、双方が納得できる妥協点を見つけられますから、うまくいくのです。どんどん行動していく偏官に正財が合わせることで、物ごとがスムーズに進んでいきます。
◆印綬
「偏官」と「印綬」は、互いに平和に感じ、安心してすごすことができる組み合わせです。「偏官」はアウトドア派、「印綬」はインドア派です。正反対の性質を持っている同士なので合わないと思いきや、印綬は偏官のちょっとした言葉や表情からその気持ちを細やかにくみ取ることができますから、良き理解者となることができるんですね。
偏官の人と相性の悪い通変星とは?
偏官と相性の悪い通変星は、「比肩」と「食神」、そして「傷官」です。
◆比肩
「偏官」と「比肩」は気持ちがすれ違いやすい組み合わせです。 おおざっぱで物ごとをテンポよく片づけたい偏官と、しっかり計画を立てて、準備万端にしてから進めていきたい比肩はタイミングが合いにくいのです。 一緒に同じ目標を目指していても、偏官と比肩は足並みが揃わなくなってしまうことが多いでしょう。
◆食神
「偏官」と「食神」は物ごとに対して正反対の行動を取ります。 責任感が強く、他人から受けた恩は決して忘れない律儀な偏官にとって、自分の気持ちを最優先にして動く食神はどうしてもイライラしてしまうことが多いでしょう。また、食神のほうもきちんと計画を立てることなく動いてしまう偏官に振り回され、精神的に疲れてしまいます。何から何まで合わないので、互いにストレスが溜まってしまう相性です。
◆傷官
「偏官」と「傷官」はお互いに自分の主張を譲らず、言い争いが絶えません。自分なりのやりかたを通したい偏官、傷官は衝突することが多いでしょう。どちらもかたくなで意地を張るタイプですから、歩み寄ることができないのです。また、リーダー気質のある偏官はどうしても傷官の上に立ちたい、という気持ちが芽生えてくるため、争いになります。
「偏官」が命式にある人への接し方
人に頼られることがうれしい「偏官」には悩みごとや相談ごとを持ちかけると良いでしょう。責任感が強い偏官の前では、気を引き締めて物ごとにあたるようにしてください。ルーズな姿を見せると偏官は不信感を抱くでしょう。せっかちな偏官は先を急ぎたいタイプです。なかなか答えを決められなかったり、ハッキリしない曖昧な態度を相手から取られると偏官には不満が積もっていきます。
恋愛には奥手なところがある偏官は、相手も自分のことが好きだとハッキリとわかってから、ようやく動き出します。好意を持っているなら、自分から気持ちを偏官に伝えてください。
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